装飾


 飾り立てることは、商売をする上でも大きな意味を持つらしい。ウサギから学んだことだ。
 例として学んだものが先日のフラワーアレンジメントだ。籠の中に何も考えず放り込むより、花の花弁を一つ一つ見せて、リボンや紙で色を整えられた籠は確かに美しさを感じる。
 学んだことを活かせないだろうかと、この檻に看板を置いてみようと思った。檻の中で星空が広がる花の庭。ここが店で、ここで商売をしているという案内を示すものだ。
 試しに髑髏の提げられた小さな立て看板を置いてみた。これから試練を重ねるという意志を込めてリアルな造形を選んである。
 アバンギャルド。しかし悪くない。ウサギも呼んで感想を伺ってみよう。

「これは……これから物騒なことが始まりそうな飾りですな。いや、既に過去で起きていた痕跡のようにも……?」

 そんなに危なっかしいだろうか。

「確実にやばい店ですな。いや、まあやばい目をした勇者みたいにお好きな方はお好きでしょう。しかしながら貴方様の人格に誤解を招くと言いますか、何を思ってこんな物々しいものを……」

 すこぶる評判が悪い。自分では良いと思った旨を伝えると首を傾げられた。

「ええ、まあ、そうですか……ううむ。それが貴方様の好みなのでしょうかね。万人受けはしないものであれ、貴方様の気に入るものなのであればそれは貴方様の感性なのです。傾向あれど、個人の好みに正解はありませんから」

 自分の好み。ボク自身の感性。大分唸られてしまったけれど、少し、自分のことがわかった気がしてボクは嬉しくなった。

「けど、こちらは一旦仕舞いましょうか。利益を得る為には広く根強くお客様に気に入られる空間を提供せねばなりませんから!」

 ウサギが強く推奨するので、髑髏の看板は草木で隠れるような低い位置にひっそりと置く事にした。