*サクッ*
*もぐもぐ……*
安眠グッズ専門店『ゆめYUME』。
そこで売られる『おまじないクッキー』は、珠緒には普通のカントリークッキーに思える。
けれど珠緒がこれを購入した折、接客した少女はひとたび口にした。
今日は火の夢が見れる、と。
それは焚火かもしれないし、提灯かもしれないし、蝋燭かもしれない。小さいのに大きくなる、火の夢。
確信めいて言う少女の言葉には、どこか信憑性が感じられた。彼女も異界探索に赴く人物であるから、本当におまじないであるのかもしれない。
クッキー、もしくは彼女の。
小さいのに大きくなる火の夢。それは、珠緒には少し怖いように思えた。
しかし悪夢は不安から、不安は抱える問題や休息の不足から。少女にもたくさん睡眠を取るよう推奨されている。
きっと十分な睡眠を取れば、睡眠専門店のおまじないも良い方に作用する。
異界探索に支障を来すのも良くないから、珠緒は早めに寝ることにした。
好奇心が半分、不安が半分。珠緒は夢に想いを馳せて眠りにつく。
その夜、珠緒が見たのは。
水面に佇む七色の炎だった。
※デフォルメアイコン制作:ぎぃ。様








