ドラゴン旅行記のはじまり
ちょっと懐かしいアバターを貰い受けて、探索を始めたこのVRゲーム(?)では新鮮な景色が広がっていた。
星空が目一杯広がった不思議な空間。
建物や舗装された道が全く視界に入らない広大な草原。
自然そのままに高く聳え立つ岩山。
ポラリスの街は木組みの家に石畳の床という建築様式で、正に異世界!って感じの街の風景だ。
どれもこの目で見たことないものばかりだった。そして目に入る全てを、現実として認識してしまう。
CAROLは『画期的なゲームシステム』と言っていたからゲームに間違いは無いのだろうけれど。
わからないことは沢山ある。
どうやってこのアバターと自分を紐付けたのか、とか。
アプリをタップするだけで特別な機器も無く遊べているのはどういった理屈なのかとか。
不可思議で、ちょっと不気味ですらある。
特にアバターなんてプライバシー情報だ。
嘗ては別のゲームでマウスとキーボードで操っていたドット絵のアバター。既に身バレしているのではないか。
好きな姿になれるなんて話もあったから、深層意識の反映みたいなことをされたのかもしれないが。
これだけ高い現実再現性を持つゲームならどこかで話題になっても良さそうなのに、ニュースやSNSで見たこともない。
体験を現実にフィードバックするという話も気になる。
免許センターのシミュレーションにより運転知識が身につくようなことだろうか。
それとも、やはり自分の知らない間に技術は恐ろしい程に進化していたのだろうか?
楽しいことは楽しいけれど、同時に不安は付き纏う。
まあ、楽観的に構えてみるとしようか。